自己紹介

アルビノ当事者が書く アルビノについて 第5弾 アルビノと学業

見た目視力と、これまでアルビノについて……というか、私個人の体験や考えについて書いてきましたが、今回はアルビノと学業についてです。

最初に

今回のテーマもまた、私の個人的な話が主になりますが、アルビノの症状の程度が私と同じぐらいの人、若しくはそんなお子さんがいる方がいたら、多少は参考になるかもしれないので書いていこうと思います。

結論から言うと、ずぼらでモノグサな私でも、大学までは一応出ることができました。
そこで、今日はその過程について、かいつまんで書いていこうと思います。

アルビノと学業でキーになるのはやはり視力だと思います。視力がどの程度出るのかは、同じアルビノでも結構差があるのですが、大半のアルビノ(とその親)は幼稚園卒業時に一つの選択をすることになります。

一般の小学校に入るか、盲学校に入るか

そもそも盲学校ってどのくらいの視力だったら入れるのか、この記事を書くにあたって、調べてみました。

私が小学校に上がったのはかれこれ25年以上前の話なので、当時とは少し基準が違う可能性がありますが、現在、盲学校は一般的に矯正視力がだいたい0.3未満の人が入れるようです。

私が幼稚園卒業したころの視力は両目ともに 0.1でした。 後に高校か大学かに入る頃に親から聞いたのですが、幼稚園の先生からは「盲学校に行く、という道もあります」と言われていたそうです。両目0.1は、確かに当てはまっていますので、盲学校を勧められたのも納得。

どちらの学校に入るか両親にきかれた、または盲学校を見学に行った記憶は、ありません(私が覚えていないだけの可能性もありますが…)。そしてそれがよかったのか、よくなかったのかは、正直言って今でもわかりません。

ですが結果として、私は一般の小学校に入りました。私のアルビノのタイプが色素が少量あり、成長と共に今より少しは視力が良くなるだろう、という医師の話と、これまた誤解を招きそうですが、「できるだけふつうに」、という親(おそらく特に父)の希望で。

ちょっと語弊があるのを承知で書きますが、このくらいの視力、ちょっと厄介なんです。一般の学校に入ったら、他の大多数の子達と比べて「見えなすぎる」し、だからと言って盲学校に行ったら、世間一般の人たちがイメージする盲学校出身者と比べて「見えすぎる」……どちらに入っても多少苦労することがほぼ確定しています。

見えにくさ対策

アルビノに限らず、視力が矯正できない”弱視”またはロービジョンの子供が一般の学校で勉強するにあたり、最も重要になるのは「見えにくさ対策」です。

体育の授業や球技大会などで私が入ったチームが相対的に弱くなって勝てない、ボールが見えないのでパスしてもらっても中々取れない、などなどは対策のしようがないので割愛するとして、学校生活での見えにくさ対策といえば、
  • 座席
  • 板書
  • プリントなどの拡大コピー
だと思います。

座席

座席は、板書が(できるだけ)見えるよう、常に最前列にしてもらうのですが、私の経験上、一番いい席は「最前列、中心、窓寄り」の席です。実はこの”窓寄り”というのがミソで、窓から入る光が黒板に反射した光にあまり邪魔されずに済むのです。もちろん時間帯によってはそれでも見えにくいことはありますが、その範囲は廊下寄りの座席より少ないです。

板書

板書についてですが、大き目に書いてもらえるよう先生にお願いするのは勿論ですが、文字の大きさだけでなく、チョークの色も結構重要です。黒板がピカピカの状態ならどの色のチョークでも大差無いのですが、黒板が多少白くなっている場合は黄色のチョークが見えやすかった覚えがあります。逆に赤のチョークは見えにくかったので、先生が赤チョークで板書を始めた時には他の色を使ってくれるよう頼んだこともあります。

拡大コピー

拡大コピーについては、私の視力だと、教科書は10~15㎝ぐらいまで近づけば、読む速度は一般の人と比べたら落ちますが、問題なく読めました。教科書の注釈などの細かい字は、ルーペを使って読んでいました。テストやプリントの字は、小学校のうちは結構大き目だったので、ほぼ問題なく読めましたが、中学、高校の定期テスト、高校、大学の入学試験は事前にお願いをして問題用紙を拡大コピーしてもらいました。因みに大学は、専攻によるのかもしれませんが、長文を読んだりする試験よりも、実技やレポート提出が多かったので、特に拡大コピーをしてもらう必要はありませんでした。

最後に

このように、周りの人達サポートしてもらって大学卒業までこぎつけたのですが、中学からの成績はそんなに良くはありませんでした。その原因は(私のオツムが足りなかったというのもあるでしょうけれど)、中学2年ごろから顕著になったある問題にあります。

これについては次の記事にまとめようと思いますので、引き続きお付き合いください。


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