自己紹介

アルビノ当事者が書く アルビノについて 第2弾 アルビノについての噂

この前の記事では「アルビノは見た目がちょっと違います」という話を書きました。これは私たちを一目みれば分かることだと思います。

私たちアルビノは何といっても目立ちます。しかしながらアルビノについての情報は不足していて(……というより、わざわざ詳しく調べる人も恐らくそんなにいないんだと思います。)、周りの人たちの憶測や映画やアニメが作り出したイメージばかりが先行しているため、間違った認識をされていることがあるかと思います。

アルビノに関する噂

世間一般でまことしやかに囁かれているアルビノについての噂と言えば、
  • 体が弱い
  • 長生きできない
  • 両親が近親婚
などがあります。もちろん全部ただの噂であって事実ではありません。このくらいなら聞き流してもいいかな、と思うのですが、とある国ではなんと、アルビノの人には何やら特別な力があり、その肉を食べると(生き血を飲むと、だったかな?)不老不死になれるとか、エイズが治る、とか、体の一部が呪術(?)の材料になると信じている人もいるんだとか。それが原因でアルビノの人たちが腕などを切り落とされたり、誘拐されて殺されたりもしているそうです。

さて、怖い話はここまで。上に書いたアルビノについての噂話はもちろん全部デタラメです。ですが、このような事実無根の噂が生まれる 原因はやはり、「白さ」と「周りとの違い」だと思います。

白さ

白という色が与えるイメージのひとつである「儚さ」から、アルビノは「体が弱い」とか「長生きできない」というイメージが生まれるのだと思います。動物のアルビノに関して言えば、”目立つ=捕まりやすい=短命” となりますが、人間の世界ではそういうことはまずありません。体の方も日焼けなど、気をつけなければいけない部分はありますが、それ以外はアルビノでない人と同じです。

また、白という色は文化的・宗教的に特別な色で、無垢さ・神聖さを表します。白い動物はよく神の遣いとして崇められたりしていますね。そこから「何か特別な力があるのでは?」という考えも生まれるんだと思います。

周りとの違い

そして ”周りとの違い”についての余談ですが、(考え方が古い/ある特定の宗教に熱心な)人々にとって、”周りと違う” ということはどうやら ”前世に、または親が何か禁忌を犯した” と写ることがあるようです。

某宗〇の勧誘を何度も受けた件について

実は私、某宗教への入会勧誘を、それぞれ全く接点のない人たちから計3回されたことがあります。その宗教では(少なくとも私がその3人から聞いた話によると)
  • ガンは遺伝病
  • この宗教に入れば死後硬直しない
  • 方法は簡単!毎日朝晩、富士山の方角に向かって(以下略)
……などのネタは置いておいて、
  • 障害を持っている人や生まれつき見た目が他の人と違う人は前世で何かとても悪いことをした
と考えられているそうです。
つまり私は、私に布教しようとした彼ら彼女らの目には「あぁ、前世で何かとてつもなく悪いことをしてしまったかわいそうな人!」と映っていたのでしょう。前世とか、全く信じないわけではありませんが、余計なお世話です。

アルビノは劣性遺伝

さて、あと書いていなかったのは親が近親婚という噂ですね。これはアルビノが劣性遺伝であることから生まれた噂だと思いますが、これもあくまで噂です。

画像は借り物です

メンデルの法則をご存知の方は分かると思うのですが、アルビノの症状は「aa」でないと表には出てきません。なので「Aa」、つまり見た目はアルビノではないけれど、アルビノの子孫を残しうる人、というのは世の中に一定数いるということです。「Aa」同士が結婚して子供を産めば、「aa」が生まれる可能性があるというだけのことです。事実私の両親も国内の別々の島出身で、家系図が残っている範囲では接点が全くありません。
アルビノが生まれる確率は2万人に1人と言われているので、実際はもっとほかの要素もあるのでしょうけれど、ザックリ話すとこんな感じです。

最後に

何はともあれ私たちアルビノは弱くもないし、特別な力を持っているわけでもない普通の人間なんですよ、という話でした。皆さんはアルビノについて上記以外にどんな噂を聞いたことがありますか?

次回はアルビノの肌について書こうと思います。
引き続き、お付き合い願います。

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