自己紹介

アルビノ当事者が書く アルビノについて 第4弾 アルビノの視力

今日は視力について。私自身は不完全型のアルビノで、世間一般がイメージするアルビノとはちょっと違います。なので、あくまで「私の場合、どう見えているか」についての話になってしまいますが、お付き合いください。

アルビノと視力の問題

アルビノの人はたいてい、視力に問題があります。詳しいことはこちらを読んでいただくとして、思い切りかいつまむと、目の中の組織に色素が無い、または少ないので、視力が弱かったり一般の人より光をまぶしく感じたりします。

なので、アルビノが日常生活を送る上で大切になるのは
  • 見えにくさ対策
  • 眩しさ対策
です。

見えにくさについて

まずは視力について。眼鏡で何とかなるでしょ!と思う方もいるかもしれませんが、眼鏡での矯正は不可能です(弱視と言います)。視力というのは、目の中の組織にメラニン色素がある程度沈着しないと出ません。そのため、沈着させる色素が全くまたはほとんど作れない私たちアルビノは眼鏡をかけたところで一般の方々のように、例えば0.1の視力を1.0などに劇的に矯正することができません。

ちょっと適切な説明かどうかは微妙ですが、メガネで矯正ができるのは、目の造りはちゃんとしているけれど、それが弱っている状態。そして、弱視というのは目の構造自体に問題があるので矯正ができない、またはできても限度がある状態、といった具合です。

不完全型アルビノの私の場合

私の場合、小学校入学時の視力は0.1でした。成長と共に少しだけ視力がよくなって、小学校高学年のころには0.2ぐらいになりました。子供のころは毎回視力が上がると両親が喜ぶものですから、ちょっとズルして矯正視力0.35という結果だった時期もありますが、実際は0.2程度だったと思います。そして今も大体0.2ぐらいです。
メガネは物心ついたころからかけていますが、視力は眼鏡をかけてもほぼ変わりません。

では何のための眼鏡なのかといいますと、乱視矯正用の眼鏡なんです。私たちアルビノはほぼみんな乱視持ちです。特に何かをじっと見ようとすると目がプルプルプルプル……(笑)眼振は眼鏡で多少軽減できます。とはいえそれで変わる視力は0.05ぐらいなので、日常生活ではあまり実感できないかもしれません。私の場合は眼鏡をかけている方が目が疲れにくいので、パソコンで作業をする時などは眼鏡をかけます。

この眼振なのですが、水平方向に揺れる人が多いんだとか。なので、縦書きの文章はよくどこの行を読んでいたか分からなくなり、小学校の国語の授業で読む順番が回ってきた際、同じ行を2度読んでしまったこともしばしば(笑)そして電話番号のように「3」「6」「8」「9」がランダムに並んでいると全て「8」に見えたりします。

眩しさについて

次はまぶしさについて。うす曇り~晴れの日は目を細めていることが多いです。機嫌が悪いのではありません。眩しいんです(笑)

どのくらいまぶしいのかうまく説明できませんが、私の場合、太陽の光が前からさしていると(つまり影が自分の後ろにできていると)手をかざしながらでないとまっすぐ前が見られません。目が痛くなります。サングラスでだいぶ楽にはなりますが、それでも視界に太陽が入るようだと手をかざさないと無理です。つばの広い帽子で目が常に日陰になるようにするのが得策。あとはカメラのストロボが痛いです。ストロボの光を見た後はピンクと緑にチカチカする残像がしばらく視界に残ります。

こういう場所は危ない

あとこれは見えにくさと眩しさの両方になるのかもしれませんが、私たちアルビノは(というか、少なくとも私は)遠近感が上手く掴めない時があります。特に下るとき。例として、下の写真をご覧ください


先日出かけた時に見つけたアルビノ用トラップ……ではなく、ショッピングモールのエントランスの写真です。段差のふち(って言うのか?)に何も印が無く、かつ段差が2段あるのですが、日光の反射で目がくらんで全く見えません。私自身はこの手のトラップに何度か引っかかっているので、このような場所では一旦停止を習慣にしています。

山の散策コースのように地面がほぼ茶色一色で、そこに茶色い木の根がちょこちょこ出ている場合も、登りはそうでもありませんが、下りが大変です。

あとは階段とその他の部分でデザインが変えてあるときも、最初と最後の1段(0段?)が鬼門です。

日本での記憶はちょっと薄れてしまったので何とも言えませんが、ロシアの場合、最後の1段と、フロア部分に更に一段分に同じ模様のタイルが使ってあることがあるんです。そうすると、上り下りの際に一段ある(または無い)と勘違いして転びかける……といったことが起こります。

ちょうど勤務先にそのような階段があるので、写真を撮ってきました。写真で撮ったように斜めから見たらまだ見えやすいんですが、まっすぐ見ると段があるのかないのか、一旦停止する必要があります。

この0段目が鬼門。
下りの時の図

まとめ

ということで、アルビノ……というか、不完全アルビノである私個人の話を長々としてきたわけなのですが、最後に見えにくさ・眩しさ対策を具体的にまとめようと思います。
  • 遠くを見るときは単眼鏡/双眼鏡
  • 近くを見るときはルーペ
  • 眩しさ対策は帽子やサングラス
  • PCやスマホのダークテーマを使う(白は膨張色なので、暗い画面に白っぽい文字の方がよく見えます)
  • 縦書きを読むときは読んでいる行のすぐ横に定規などを置いて、ずらしながら読む(眼振が横揺れなので)
  • 数字がたくさん並んでいて読みにくい時は90°傾けて見る(これも眼振が横揺れなので)
  • 時計はデジタルよりもアナログ(文字盤の数字はなくてもいいです。針の見えやすさが重要)
  • 拡大コピーしてもらう(定期テストや入試の時にやってもらいました)
  • 誰かに読んでもらう(オーディオブック、もっと普及してー!)

これを読んでいるアルビノの方で、こんな方法もあるよ!という方はご連絡ください。リストに追加させていただきます。

次回はアルビノと学業について書こうと思います。
引き続きお付き合いください。