自己紹介

【誰得生活情報@ロシア】夏の風物詩、お湯管メンテナンス

今日はロシアの夏の風物詩、「お湯管メンテナンス」について書きます。


ロシアの水道管は2本!?

日本では水道管のパイプは冷たい水の1本だけでお湯は各家庭にあるボイラーで温めて使いますよね?

ロシアの場合はちょっと違って、水道管が2本あります。1本目は日本と同じ冷たい水道水。2本目はなんと、お湯専用なんです。

お湯は各家庭のボイラーで沸かすのではなく、 Теплоэлектроцентраль(テプロエレクトロツェントラーリ、通称 ТЭЦ) という、お湯工場兼火力発電所(火力発電所兼お湯工場?)からの専用パイプで、主に集合住宅や商業施設などへと供給されています。
(一戸建てまではいかないので、ボイラーを設置する必要があります)


冬の朝、日本だと水道の水が温かくなるまで水を出しっぱなしにしておく必要がありますが、ロシアではそんなことはありません。平常時であれば、蛇口をひねれば即、60~75℃ぐらいのお湯が出てきます。

余談ですが、このお湯管、基本的には地中に埋まっているんですが、一部外に出ているところもあって、冬場になると野良猫たちが上に乗って暖を取っていたりします(笑)

お湯管メンテナンス

さて、このお湯専用パイプ、良い事だけってわけではありません。パイプの中を常に硬度の高い熱湯が流れているので、パイプ内部にカルキがたまったり、傷みがはやかったりします。そのため毎年のメンテナンスが欠かせません。

このメンテナンス、期間はだいたい2週間ぐらいで、町のエリアごとに順番にあります。その期間はお湯が出なくなり、ボイラーのない家庭は冷水のみの生活を強いられます。

メンテ期間はどう乗り切る?

さて、このお湯管メンテ期間ですが、乗り切り方は様々。

一番手っ取り早いのはボイラーを購入&取付すること。
これでお湯を温める時間は多少取られますが、メンテ期間中もお湯を使うことができます。

諸事情でボイラーを取り付けられない場合は、ボイラーがある、またはメンテ期間外のエリアに住んでいる家族や友人のところでお風呂に入らせてもらう、という人も。

そして一番古典的な方法は、家になる大鍋などを総動員して、ガスでお湯を沸かし、それを冷水で薄めながら沐浴をする、という方法。

そしてもちろん、とことん攻めたい人は冷水シャワーという荒業もあります(笑)

我が家は義両親宅にボイラーがあるので、メンテ期間中お世話になりました。もちろん毎日お邪魔するわけにはいかないので蒸しタオルなどで体を拭いて済ませる日もありましたが。


2週間で終わらないことも…

基本的には約2週間で終わるお湯用水道管メンテですが、まれにお湯が出ない期間が長引くこともあります。

私の記憶の中で一番強烈だったのは、2010年。
お湯工場とリャザン州政府とのチキンレースにより、7月半ばにメンテナンスのために止められた温水が10月になるまで復旧しなかったというようなことがありました。

↓↓↓詳細は過去の記事をご覧ください↓↓↓
お湯復活!

その年は夏の間の40℃を越す猛暑+森林火災による煙で町が丸ごと燻製状態、9月以降の涼しさ(もとい肌寒さ)の中、大きい金属製のバケツで沸かした熱湯を冷水で薄めつつの入浴(沐浴?)は、中々つらかったです。

最後に

今日はロシアの夏の風物詩、お湯管メンテナンスについて書きました。

日本的な感覚だと、2週間満足に湯船につかれないというのはかなりつらいと思います。

ただ、気候や水質が日本とは違うので、毎日湯船につかったり、シャンプーしたりすると肌も髪も乾燥してしまいますが…

何はともあれ、これからロシアで長期生活する予定の方は住むところを選ぶ際、ボイラーの有無の確認をお忘れなく!

コメント