投稿

2021の投稿を表示しています

日本とロシアの結婚記念日のシンボル比較

イメージ
突然ですが、本日11月21日は私たちの結婚記念日です。 時が経つのは本当に速いもので、スーツケース一つで嫁いできてから12年が経ってしまいました(笑) 今日はロシアの結婚記念日の話を書こうと思います。 By freepik 結婚記念日のシンボル 日本には、結婚してからの年数に応じて「〇〇婚式」という呼び名で結婚記念日を祝う習慣がありますね。結婚25周年の「銀婚式」や結婚50周年の「金婚式」あたりはかなり浸透しているかと思います。 これは元々はドイツで始まった習慣で、その後ヨーロッパに広がり、日本では明治天皇が銀婚式を祝って以降、徐々に浸透していったそうです。因みに日本で一般的にイギリス式が一般的なんだとか。 ロシアも同じように結婚記念日と各年のシンボルがありますが、日本で知られている物とは違うアイテムも結構登場します。ということで、今日は日露両国の結婚記念日のシンボルを比べてみようと思います。 結婚記念日のシンボル 1~10周年 最初の10年は共通するアイテムが多いようです。 登場する年は違うものの共通する物もいくつかありますね。 珍しいのはロシアにある6.5周年の亜鉛婚式でしょうか。なぜ半年区切りで祝うのか、不思議ですね(笑) 日本 ロシア 1周年 紙 Ситец (更紗・キャラコ) 2周年 藁、綿 Бумага(紙) 3周年 革 Кожа(革) 4周年 花、絹、書籍 Лён (麻) 5周年 木 Дерево(木) 6周年 鉄 Чугун(鋳鉄) 6.5周年 ― Цинк(亜鉛) 7周年 銅 Медь(銅) Шерсть(ウール) 8周年 青銅、ゴム、電気器具 Жесть(ブリキ) 9周年 陶器 Фаянс(ファイアンス:陶器の一種) 10周年 アルミ、ブリキ Олово(スズ) 結婚記念日のシンボル 11~20周年 日本では15周年の次は20周年まで飛んでしまうようですが、ロシアの方は16~19周年の部分にも毎年何かしらの物が充てられています。 日本 ロシア 11周年 鋼鉄 Сталь(鋼) 12周年 絹、麻 Никель(ニッケル) 13周年 レース Ландыш(スズラン) 14周年 象牙 Агат(めのう) 15周年 水晶 Хрусталь(水晶) 16周年 ― Топаз(トパーズ) 17周年 ― Роза(バラ) 18周年 ― Бирюза(ト...

【旧ソ連圏の料理】 グルジア(ジョージア)のプラムのソース、トゥケマリ Ткемали

イメージ
今日はグルジア(ジョージア)料理に欠かせないソース、トゥケマリのレシピを紹介します。  トゥケマリとは トゥケマリとは、グルジア(ジョージア)に育つスモモの品種、またはそのスモモを使って作ったソースの呼び名です。 トゥケマリソースは、スモモで作ったピューレにニンニクやハーブ、香辛料を加えて作ったもので、肉料理や魚料理などに添えて出されます。 ※伝統的なレシピではトゥケマリ、または Алыча (アルィーチャ)と呼ばれる種類のスモモを使うのですが、うちのダーチャには無いので、今回は代わりにプラム(セイヨウスモモ)を使って作ります。 両者の違いについてですが、色やサイズ、とれる地域などが違います。トゥケマリは中くらいの梅ぐらいのサイズで、色は黄色~赤です。 トゥケマリ セイヨウスモモは大きめの梅ぐらいの大きさで楕円形。皮は紫色で、日本ではこれを乾燥させたプルーンがよく知られています。 セイヨウスモモ 本場の人には違う種類のスモモを使ったソースはトゥケマリじゃない、と言われてしまうかもしれませんが…ロシアでの代用品としてセイヨウスモモはよく使われています。 材料 セイヨウスモモ(Слива)1㎏ 水(Вода) 50㎖ 砂糖(Сахар) 大さじ1 塩(Соль) 小さじ1 にんにく(Чеснок) 3,4片 コリアンダー(Кориандр) 大さじ1(挽いてあるもの) パクチー(Кинза) 一束 赤トウガラシ(Перец Чили) 少々(我が家は子供も食べるので入れませんでした) これはあくまで基本の材料なので、これにさらにディルやバジル、ミント、オレガノなど、皆さんのお好みのハーブやスパイスを入れて、カスタマイズしてください(笑) 作り方 スモモを洗ってヘタを取る (虫などが心配な場合は、面倒ですがひとつひとつ切って中を確認する) 鍋にスモモと水を入れ、中火にかけ、15~20分ほど煮る。焦げ付かないように時々木べらで鍋の底をこするようにかき混ぜる スモモを煮ている間にハーブをみじん切りにし、にんにくは皮を剥いてをすりおろす (ハンドブレンダーがある場合はハーブはざく切り、にんにくはすりおろさなくて OK) スモモを裏ごしして種を取り除き、出来上がったピューレを鍋にもどす ④を弱めの中火にかけ、塩、砂糖、にんにく、ハーブ、スパイスを加える ⑤を焦げ...

卒業の手続きと卒業式

イメージ
指定の科目の単位の取得、卒業試験合格、卒業論文発表が無事に終わり卒業要件を満たすと、いよいよ卒業の手続きが始まります。 ……と、仰々しく書きましたが、実際のところ大した手続きではありません。ですが、日本の大学ではこのような手続きはしなかったので一応書いておきます。 ロシアの大学を卒業するにあたり、必要な手続きはずばり、 サイン&スタンプラリーです(笑) 卒業が確定すると教務課から Обходный лист (アプホードヌィー・リスト) という A6 サイズの 紙っぺら (本当に紙っぺらなんです)が渡されます。 この紙の上部には学生の氏名、専攻、学生番号などの基本情報が書いてあり、その下には学内のどこのスタンプやサインを集めるかの一覧があります。 行き先は主に会計課、大学図書館、学生組合、学生寮などで、学費や寮費の滞納、図書館の本の返し忘れなどが無いかのチェックをし、問題が無ければスタンプまたは担当者のサインがもらえるというシステムです。 無事にスタンプラリーをクリアしたら、この  Обходный лист   と学生証を教務課に渡します。これで卒業証書を受け取るための手続きが完了します。 これで学生証ともお別れになるので記念にパチリw 学生証 と Обходный лист 卒業の手続きが終わったらあとは卒業証書授与式の際に卒業証書と成績証明書を受け取ります。 で、その卒業証書授与式が今日ありました。 先月末の外国人学生向けの卒業前祝いイベントや昨年の卒業式は屋外で行われたのですが、今日の卒業式は例年通り屋内で行われました!保護者などの同伴者は中に入れなかったのですが、それでも外国語学部を卒業する学生が皆集まったので、100人以上の人がコンフェレンス・ホールに集まりました。 日本の一般的な大学と比べると学部の学生数がそう多くないからか、学生一人一人が卒業証書を受け取れます。学部生と一緒の卒業式だったので、自分が日本語を教えた学生たちや、実習の時に教えた留学生と一緒に卒業です(笑) こんな感じで私の2年間の院生生活が無事に(?)終わったわけですが、コロナ禍で授業が急に全面的にオンラインになったり、今年度に関して言えば混合形式で大学と家を行ったり来たりしたり、時間割調整に奔走したりと色々ありました。 体力的にはちょいちょ...

卒業論文の発表

イメージ
もう1週間以上前の話になってしまいますが、大学院生活の集大成と言える修士論文の発表があったので、今日はこのことについて少し書こうと思います。 私たちのグループの論文の発表は7月6日に大学で行われました。 去年はコロナウイルスのパンデミックによるロックダウンの関係で論文の発表はオンラインで行われたのですが、今年はワクチンなども開発され状況が落ち着いてきた(?)と上が判断したためか、従来通りの対面形式の戻りました。 とはいえ、ワクチンを接種していない65歳以上の教員は大学に来ることがまだ許されていません。なので、私の指導教官をしてくれた教授はオンラインで参加し、また、クラスメイトの一人は去年の2月にロシア中国間の国境が封鎖されて以来 ずっと北京にいるので、その子もオンラインで論文を発表しました。 最初は違和感しか感じなかったこのオンラインと対面の混合形式ですが、最近はもう普通に感じるようになってきました。 ところで、「卒業論文の発表」はロシア語で、 学部の卒業論文の場合は Защита дипломной работы (ザシータ・ディプロムノイ・ラボーティ) 修士課程の卒業論文の場合は Защита диссертации (ザシータ・ディセルターツィイ) と一般的に言います。 Защита (ザシータ) は 「防衛」 という意味で、研究と執筆に費やした時間と汗と涙の結晶(大袈裟)である論文を守り抜く論文発表のプロセスをよく表している表現だと思います(笑) さて肝心の論文発表ですが、うちの大学の外国語学部では学んでいる第一外国語で発表と質疑応答が行われます。なので、私の同期たちもロシア人のグループは英語、そして私の在籍する留学生グループはロシア語で発表をしました。(先月行われた私の学生たちの論文発表は、日本語主専攻のグループは日本語で発表をしました。) 発表時間は一人あたり10分間でスライドを用いて行います。その後5分ほどの質疑応答がありました。 クラスメイトの中には緊張のせいで具合が悪くなってしまった人もいたので、人前で話すということにはやはり慣れが必要なんだなあと実感しました。 私自身、人前で話すことが特別得意だとは言えないのですが、子供の頃から10年ほど続けていた合唱、そして大学に勤め始めてからの毎日の授業での経験がハードルを下げてくれたなと思います。 ...

外国人学生のための”卒業式”

イメージ
先日卒業試験が無事に終わり、今日はうちの大学の国際交流課が外国人学生向けに卒業の前祝いイベントを開いてくれました。 大学からの案内には”卒業式”と書かれていましたが、大半の学生が卒論の発表を終えていない状態で行われたので、実質は前祝い&記念撮影会だったのですが…みんな仲良くアカデミックガウンと身にまとい、角帽をかぶって、一足先に卒業生気分を味わってきました(笑) 屋内での催し物はまだまだ制限があるので、屋外での開催でした。気温は30℃を超えていたので、このガウンはかなり暑かった…(^_^;) コロナ禍で昨年の3月からオンライン授業、秋からはオンラインと対面の混合形式で授業をしていたので、実習で教えたグループの学生たちともやっと実際に会ったりできたのはちょっと嬉しかったです(笑) 卒業証書の代わりに今年卒業する外国人学生全員が写ったフレーム入り写真を記念品としてもらいました^^ 約1週間後に卒論の発表が控えているので、気を引き締めて行きます!

ロシアの大学(院)の卒業試験

イメージ
6月26日は、大学院の卒業試験でした。無事に合格できたので、今日はロシアの国立大学の卒業要件や卒業試験の特徴について書こうと思います。  ロシアの国立大学(院)の卒業要件 ロシアの国立高等教育機関(大学や大学院)を卒業するためには、 カリキュラムに含まれる科目と実習の単位取得 卒業論文の執筆と発表 卒業試験合格 という3つの要件を満たす必要があります。 それぞれについてもう少し詳しく書いていきます。 カリキュラムに含まれる科目と実習の単位取得 日本の大学の場合、その年に開講されている講義の一覧と自分の専攻の必修科目などを照らし合わせて、自分で履修登録をするので、学生一人一人が自分専用の時間割があるのが一般的かと思います。 ロシアの場合、専攻ごとに時間割が決まっていて、その時間割に書かれている授業は全てその学年のそのセメスターにおける「必修科目」と「選択必修科目」です。 例えば外国語学部の場合、第一外国語やそれに付随する科目が必修科目で、第二外国語が選択必修科目といった具合です。 日本の大学で言うところの一般教養科目のようなものもありますが、これも選択の自由はなく、哲学、心理学、ラテン語、情報科学、体育などが必修科目としてグループの時間割に組み込まれています。 ※大学院は専門科目がほとんどで、一般教養科目は心理学と情報科学のみでした そして、各科目ごとにセメスターの終わりに試験があり、この試験に合格すると、日本で言うところの単位がもらえます。 ロシアの大学のセメスター試験は「ザチョット」と「エグザーミェン」という2つのタイプがあるのですが、それぞれについては過去の記事をご参照ください。 ロシアの大学の試験 ① Зачёт(ザチョット) ロシアの大学の試験 ② Экзамен (エグザーミェン) 試験課題編 ロシアの大学の試験 ③ Экзамен (エグザーミェン) 試験の成績編 また、カリキュラムには専攻に関連した実習もあり、実習が無事終了すると単位がもらえます。 カリキュラムに含まれる科目や実習を全て終了すれば、第一関門はクリアです。 卒業論文の執筆と発表 2つ目は卒業論文。これは特に説明は必要ないかもしれません。 論文執筆の過程で日本の大学との違う点を挙げるとすれば、ゼミナールが無いことでしょうか。 教授と、その教授が指導をする学生たちが集まって研究の経過...