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今日、5月7日はДень радио(ジェーニ・ラジオ:ラジオの日)です。
ラジオの発明を祝う日で、国の祝日ではありませんが、5月の連休の中日なので、会社や教育機関の裁量で休みになっていたり、勤務時間が短かったりします。
ラジオの発明を祝う日で、国の祝日ではありませんが、5月の連休の中日なので、会社や教育機関の裁量で休みになっていたり、勤務時間が短かったりします。
ラジオの日の由来
ラジオの日は1895年5月7日、ロシアの物理学者アレクサンドル・ステファノビッチ・ポポフ(Александр Степанович Попов)が、サンクト・ペテルブルグのロシア物理・化学会で電磁波の受信装置を用いた最初の公開実験を行ったことに由来します。アレクサンドル・ポポフ(1859 - 1906) |
ラジオの発明者としては翌年にイギリスで特許を取得し、更には「ラジオ発明」でノーベル賞を受賞したイタリアのグリエルモ・マルコーニのほうが世界的に名前が知られていますが、無線通信の実験を成功させたのはポポフのほうが早かったので、ロシアでは彼こそがラジオの発明者であると認識されています。
(ついでに言うとマルコーニはあまり好かれていません。)
そのため、彼はロシアにとって通信技術の父的存在で、彼が神学校に通ったエカテリンブルグやペルミ、大学に通い、無線通信実験を行ったサンクト・ペテルブルグなどには彼の像があります。
因みに「ラジオ〇〇大学」のように、大学名にラジオや無線なとのワードが入っているところにも、彼の像があるようです。
私が住む町、リャザンにある「リャザン国立ラジオ技術大学(РГРТУ)」(通称:ラジオ大学)にも、本館の入り口正面にはポポフの胸像があります。
そしてどの像にも、台座部分には
ПОПОВ АЛЕКСАНДР СТЕПАНОВИЧ 1859-1906 ИЗОБРЕТАТЕЛЬ РАДИО | ポポフ アレクサンドル・ステパーノヴィチ 1859~1906 ラジオの発明者 |
と記されています。
ラジオの日の祝い方
ラジオの日はテレビ、ラジオ関係者、通信技術関連の企業や工場の労働者、工学系教育機関の教師や学生、卒業生、無線愛好家など、多くの人にとっての祝日です。
一般的には関連する教育機関の同窓会やオープンキャンパスの日になっていたりするのですが、祝い方は様々なようです。
トムスクのちょっと過激なラジオの日
今回調べてて一番びっくりしたのは、シベリアの町、トムスクにあるトムスク国立制御システム無線電子大学の話です。ラジオの日のイベントの終わりに、なんと大学寮の9階から学生たちが古くなった電気製品を投げ捨てるそうです。
テレビ、モニター、キーボード、果てには冷蔵庫まで、「技術は日々進化している!我々の大学は毎年何か新しい物を発明するのだ!」という強い意志のもと、投げ捨てるんだとか。
2016年には一度に500台以上の電気製品が投げ捨てられ、ギネスブックに載ったそうです。
リャザンの場合
リャザンの場合、5月7日は先ほどポポフ像のところに書いたリャザン国立ラジオ技術大学のホームカミングデー(合同同窓会的なイベント)兼オープンキャンパスの日になっています。本館前にはステージが設けられ、抽選などのイベントが行われます。
グッズ販売などもあります(笑) |
また、大学の後ろには自然公園があって、昔のクラスメイトとそこに集まって談笑したり、(今は禁止されてしまいましたが)お酒を飲んだり、その後皆でどこかに遊びに行ったり…と、かなりリラックスした感じです。
ここまでならおそらく他の地域にある工業大学などと大差ないでしょう。
ですが、儀式的な部分を見ると、リャザンのラジオの日はちょっと変わっていて、東方教会のイースターであるパスハをパロディしているのが特徴です。
まず、前夜祭的なサブイベントがあり、7日未明に有志の在学生が、ポポフの写真を額縁に入れたものを持って、本館正面のポポフ像の周りを行進します。(キリスト教信者がイコンをもって行進をする十字行のパロディ)
また、これは恐らく今は行われていませんが、イースターエッグの代わりに色を塗った真空管ランプを贈りあったりすることもあったようです。
ただ、ラジオ大にかれこれ約15年勤めている友人いはく、「トランジスタの交換はしたことがあるけど、真空管の交換は見たことがない」そうです…(笑)
真空管 |
そしてパスハのパロディー感が一番出ているのが、お祝いの言葉。
(多分)リャザン限定ラジオの日のお祝いフレーズ
…というより、もはやリャザンのラジオ大学関係者限定と言ったほうが正しいですね…
本当に内輪ネタなので、実用性は低いですが…
リャザン国立ラジオ技術大学の関係者が使うラジオの日のお祝いフレーズは、
”Попов воскрес!”
(ポポフ・ヴァスクレース!:ポポフ復活!)
です。
これはパスパの時のお祝いフレーズである
”Христос воскрес!”
(フリストース・ヴァスクレース!:キリスト復活!)
にかけています。
因みに「キリスト復活!」に対する返事は
”Воистину воскрес!”
(ヴァイースチヌ・ヴァスクレース:本当に復活した!)
なのですが、リャザンのハム(もはや死語でしょうか?)たちはちょっとひねくれ者。
「ポポフ復活!」に対する返事は
”Bоистину Попов!”
(ヴァイースチヌ・ポポフ!:本当にポポフだ!)
と返します。
みなさん、ぜひ使ってみてください(笑)
最後に
今回はロシアのラジオ・無線関係者の祝日”ラジオの日”について書いてみました。
ロシアにはラジオの日のほかにも、教師の日、宇宙飛行士の日、プログラマーの日などなど、職業に関連する祝日がいくつかあるので、それについてはまたの機会に書こうと思います。
ではみなさん、今日はこの辺で!
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